エステサロンで用いられるカウンセリングシートは、お客様の抱えている悩みや日々の生活習慣をスタッフが深く理解するのを助ける役割を持ちます。
お客様に必要な情報を詳しく回答してもらえば、施術内容や目指す姿などの認識をお客様とすり合わせ、最適な施術を提供することが可能です。カウンセリングシートは顧客満足度に大きな影響を与える重要な資産と言えます。
今回のコラムでは、エステサロンのカウンセリングシートで質問すべき内容や、お客様の本音を引き出すシートを作成するためのコツを詳しく解説していきます。
目次
エステサロンのカウンセリングシートとは
後ほど詳しくご紹介しますが、カウンセリングシートやカウンセリングカルテには、お客様がエステを通して解決したい悩みや日々の生活習慣といった様々な情報を記入してもらいます。スタッフがお客様からヒアリングしながら、要点を書き込むことも可能です。
お客様に記入してもらう項目と簡単に記入してもらってスタッフが聞き出す項目を明確に区別しておくことで、必要な情報を効率良く入手しやすくなります。
個人情報や施術時の要望のような簡単に記入できる箇所はお客様に書き込んでもらう方が効率的です。お客様が抱えている悩みや日々の生活習慣に関しては、一度簡単に記述してもらい、スタッフが深掘りした質問をしながら追記していくとより詳細な情報を把握できます。
エステサロンがカウンセリングシートを導入するメリット
エステサロンがカウンセリングシートを導入するメリットとして、以下の4点が挙げられます。
お客様のニーズを詳しく把握できる
カウンセリングでは、お客様が質問の答えを考える際に「スタッフを待たせないよう早く回答しなければ」と感じやすいです。焦って回答してしまい、伝えたいことをうまく話せない方も少なくないでしょう。
質問の答えを考える時間が限られているカウンセリングとは異なり、カウンセリングシートはじっくりと考えた上で記入することが可能です。カウンセリングシートの方がお客様の本音を引き出しやすく、ニーズをより深く理解することができると言えます。
さらに、シートを記入していく中でスタッフに知らせておきたい情報を整理できるため、その後のカウンセリングで必要な情報をスムーズに伝えてもらえる可能性が高くなります。
お客様とのコミュニケーションに活かせる
カウンセリングシートにお客様の日々の生活習慣や趣味を書き込んでもらえば、施術中の会話で言及できます。お客様が興味を持っているとあらかじめわかっている話題を取り入れることで、楽しくスムーズに会話し、リラックスして施術を受けてもらえるでしょう。
中には、必要最低限の会話以外は避けて、静かに落ち着いて施術を受けたいという方も少なくありません。カウンセリングシートにそういった要望を記入してもらうことで、お客様が施術中にストレスを感じてしまうのを防げます。
シートに記入してもらった美容に関する悩みを元に、お客様が日々の生活の中で実践しやすいアドバイスをすることも可能です。
このように、カウンセリングシートはお客様とのコミニュケーションを円滑にするためのヒントを提供してくれます。
スタッフ間で情報を共有しやすくなる
エステサロンによっては、1人のお客様を複数のスタッフで担当することもあるでしょう。お客様の情報を共有できていないと、スタッフが交代した際に情報をうまく引き継ぐことができません。
- 施術後のドリンクは温かいものが良い
- 追加のオプションは希望していない
このような細かな要望を把握できていなければ、別のスタッフに伝えたはずなのに、というようにお客様に不快感を与えてしまう可能性があります。既に尋ねたはずの質問を繰り返してしまうこともあるでしょう。
記入してもらったカウンセリングシートの情報を管理することで、お客様に関する情報をスタッフ間で共有しやすくなります。どのエステティシャンが担当しても、変わらず満足度の高いサービスを提供することが可能です。
物販の購入に繋げられる
エステサロンの売上のうち、物販が占める割合は約3割だと言われています。サロンの利益を拡大させるためには、物販を強化することが欠かせません。
カウンセリングシートでお客様の体質や肌質、現在抱えている問題などを把握しておけば、悩みを解決できる商品や、肌に合う成分を含む美容グッズの購入を勧められます。
エステティシャンの豊富な知識を元に選んだ個人に合う商品を買ってもらえれば、お客様に気に入ってもらえる可能性が高くなります。継続的な購入も期待できるかもしれません。
エステサロンのカウンセリングシートで尋ねるべき内容
エステサロンで用いるカウンセリングシートには、主に以下の7点について尋ねる質問を用意しておくことをおすすめします。
個人情報
- 氏名・性別・年齢
- 住所・連絡先
- 生年月日
まずは上記のようなお客様の個人情報を記入してもらいましょう。お客様に関する基本的な情報は、顧客管理の他にも様々な用途に活用することができます。
住所を記入してもらいお客様からの同意が得られれば、クーポンやチラシなどを送付して継続的な来店を促すことができます。生年月日を回答してもらうと、お客様の誕生日にお祝いのDMを送ったり、誕生日割引を提供したりすることも可能です。
なお、家族構成や職場、宗教といったプライバシーに踏み込んだ質問は避けてください。
健康状態
エステサロンで提供される施術の多くには、以下のような禁忌事項が定められています。
- ラジオ波・キャビテーション:妊娠している方
- EMS:腹部や鼠径部にヘルニアがある方
- サーマルフラクショナル・ハイフ:生理中の方
お客様の健康状態を正確に把握しなければ、本来施術してはいけない方に誤って施術を行い、体調不良や深刻な肌トラブルを引き起こしてしまうかもしれません。
禁忌とされている項目に当てはまるかどうかをカウンセリングシートで確認することで、お客様の身体に不調が生じるリスクを軽減し、安全に施術を受けてもらえます。
シートに記入してもらうだけでなく、カウンセリングでも禁忌事項について念入りに説明し、健康状態に不安がある場合は施術当日でも必ず申告するよう伝えておくと安心です。
アレルギーの有無
健康状態に並び、アレルギーの有無も尋ねておきましょう。
施術内容にもよりますが、例えば専用の化粧品やジェルなどを使用するメニューの場合、特殊な成分が配合されていることも考えられます。
お客様に安心して施術を受けてもらうためにも、アレルギーを含め、何らかのリスクが伴う場合は事前に確認しておくことが望ましいです。
肌や身体の状態
カウンセリングシートに施術前の肌や身体の状態を記録してもらえば、それらと比較することで施術前後の変化をより実感してもらいやすくなります。現状と理想の姿とのギャップを正確に把握できるため、最適な施術期間やコースの提案に繋げることも可能です。
施術後の肌や身体とシートに書かれた施術前の状態を比較して、お客様により強く効果を実感してもらうのも、カウンセリングシートの効果的な活用方法の1つだと言えます。
フェイシャルエステでは特に、お客様の肌質によっては施術を受けることで肌トラブルが発生したり悪化したりしてしまうケースも考えられます。不適切な施術を避けてお客様の肌を守ることも、カウンセリングシートの重要な役割です。
日々の生活習慣
施術による効果を最大限に引き出すには、以下のように日々の生活習慣を改善してもらうことが必要なケースも多いです。
- 痩身エステの期間中は暴飲暴食を避けてもらう
- フェイシャルエステの効果を引き出すため毎日欠かさずスキンケアを行ってもらう
- ボディエステの効果をアップさせるため適度に運動を実施してもらう
カウンセリングを通してお客様の運動やスキンケアなどの習慣を把握すれば、こうしたアドバイスや最適なメニューの提案を通して施術の効果を高めることができます。
エステは継続的に施術を受けてもらうことを前提としています。施術を開始してからも定期的に生活習慣の変化をお客様に尋ね、必要に応じて追加のアドバイスをすることでお客様と一緒になって悩みの改善を目指せるでしょう。
悩み・実現したい姿
先述した通り、エステを通してお客様が解決したい悩みや実現したい姿を深く理解することで、スタッフはそれらに応じて最適な施術を提案できます。
それぞれのお客様に合ったコースやメニューを提供できれば、効果をより強く実感してもらえる可能性が高く、顧客満足度の向上に繋がるでしょう。
改善したいと悩んでいる部位や理想とする姿はできる限り具体的に、そして考えられるだけ多く記載してもらうことをおすすめします。
施術を行わない部位についても、シートに記載された内容を元に日常生活で意識すると良いポイントを伝えることが可能です。複数のメニューがセットになったプランを提案すれば、客単価のアップも狙えます。
施術時の要望
お客様の中には、エステティシャンとの会話やドリンクの温度など、細かなポイントでストレスを感じて来店することが億劫に感じてしまう方もいるかもしれません。
- 物販の宣伝は希望しない
- 空調の温度を高めに設定してほしい
- 肌が刺激に弱いので出力をこまめに調整してほしい
上記のような施術を受ける際の要望をカウンセリングシートで事前に聞き出しておくと、より快適な環境で施術を受けてもらうことができます。
お客様に応じた質の高いサービスを提供してサロンを気に入ってもらえれば、リピーターになってくれる可能性が高まるでしょう。
サロンを知ったきっかけ・来店を決めた理由
エステサロンを初めて訪れるお客様のほとんどは、ホームページやSNSといった媒体を通して何かしらの情報を集めてから来店します。
カウンセリングシートにサロンを知ったきっかけや来店を決めた理由を記入してもらえば、サロンの認知に繋がった媒体やお客様が魅力に感じた訴求ポイントを知ることができます。
来店のきっかけとなった媒体の運用に力を入れたり、数あるサロンの中から選ばれる決め手となった訴求ポイントを重点的に発信すれば、集客力をぐっと高められるでしょう。
エステサロンのカウンセリングシートを作成するコツ
エステサロンのカウンセリングシートを作成する際には、以下の3つのコツを押さえることをおすすめします。
テンプレートをカスタマイズする
エステサロンのカウンセリングシートは、ネット上のテンプレートを用いれば簡単に準備することができます。しかし、既存のテンプレートには、あらゆるサロンに共通する質問しか含まれていないことがほとんどです。
取り扱っている施術や客層に応じて、重要度の高い情報に関する質問を増やしたり、不要な質問を削除したりと、サロンごとにカスタマイズすることをおすすめします。
3〜5分で記入できるシートを設計する
シートの記入時間が長すぎると、お客様の負担になりストレスを感じてしまいます。短時間で書けるシートにするために、以下のポイントを押さえましょう。
- 施術に直接関係のある情報だけを記入してもらう
- 詳細な情報はカウンセリング時にヒアリングする
- 事前に記入してもらえる項目(氏名・連絡先など)はWeb予約時に取得する
このように、カウンセリングシートの記入時間を短縮できる工夫を取り入れることで、お客様の負担を軽減しつつ、必要な情報を効率よく収集できます。施術の質を向上させるためにも、簡潔でわかりやすいフォーマットを意識し、ストレスなく記入できるシートを設計しましょう。
顔やボディのイラストに書き込んでもらう
施術希望箇所や悩みの部位を正確に把握するために、「身体や顔のイラスト」を使った記入欄を設けるのも効果的です。
「気になる部位をチェックしてください」という設問を用意し、顔のイラストと一緒に
□ おでこ □ ほほ □ 口周り □ フェイスライン
という形で、チェックボックスを用意しましょう。
お客様は文章で説明するよりも、イラストを使った方が直感的に記入しやすくなるため、施術のミスマッチを防ぐ効果もあります。
チェックボックス式を活用して記入負担を軽減
カウンセリングシートを作成する上で最も考慮すべきポイントは、回答のしやすさです。「自由記述の多いシート」は記入に時間がかかり、記入漏れが発生しやすいため、なるべく「チェックボックス式」にするのがおすすめです。
- 「過去にエステサロンを利用したことがありますか?」→「はい」「いいえ」
- 「当サロンでの施術を希望する部位を選択してください。(複数選択可)」→「顔」「二の腕」「ウエスト」「太もも」など
- 「施術中の過ごし方の希望」→「話しながらリラックスしたい」「静かに過ごしたい」
チェックボックスを取り入れることで、お客様が迷わずスムーズに記入できるようになります。
施術中の希望やNG項目を明確にする
「お客様が施術中に快適に過ごせるようにする」ために、施術時の要望を具体的にヒアリングしましょう。お客様の好みに合わせた対応ができると、満足度が向上し、リピート率アップにつながります。
その際、ただ単に自由記入欄を設けたとしても、記入してもらえない可能性が高いため、想定されるNG内容例を記載しておくと良いでしょう。
- 例:肌が敏感なため、強いマッサージは控えてほしい
- 例:アロマ使用時は無香料がよい
- 例:施術中は会話を控えて、リラックスして過ごしたい
細やかな配慮が行き届いたサービスを提供することで、顧客満足度を向上させ、リピーター獲得にもつなげましょう。
エステサロンのカウンセリングシートの管理法
エステサロンのカウンセリングシートには、多くの個人情報が含まれています。そのため、外部への流出を防ぐための対策を徹底した上で管理しなければなりません。管理方法としては紙、あるいはアプリやシステムを用いることが挙げられます。
紙のカウンセリングシートは直接記入できるため、高い自由度を持って回答してもらえます。一方で、保管スペースの確保や紛失、外部への持ち出しに対するリスク管理の徹底が大きな課題となるでしょう。
Web上のアプリやシステムを導入すると、保管スペースを必要としないだけでなく、スタッフが知りたいお客様の情報を検索して簡単に見つけ出すことができます。ただし、システムトラブルが生じるとアクセスできなくなってしまうことが大きなデメリットです。
それぞれの特性を把握した上で、客層やサロンの予算、管理スペースなどを踏まえて、記入するお客様やスタッフにとってのメリットが大きい管理方法を選択してみてください。
カウンセリングシートを活用したマーケティング戦略
エステサロンのカウンセリングシートは、施術内容の決定だけでなく、効果的なマーケティング戦略にも活用できる貴重なデータです。顧客のニーズを正しく把握し、適切なアプローチを行うことで、リピート率や売上の向上につなげることができます。ここでは、カウンセリングデータを活かした具体的なマーケティング施策について解説します。
顧客データを活用したパーソナライズマーケティング
カウンセリングシートには、お客様の悩みや希望、施術履歴、ライフスタイルなどの重要な情報が記載されています。これらのデータを活用し、顧客ごとに最適なアプローチを行うことで、より効果的なマーケティングが可能になります。
例えば、施術履歴に基づいたリマインドメッセージや、誕生日特典の送付、悩みに応じた商品・メニューの提案などが顧客データを活用したパーソナライズ施策として挙げられます。
お客様ごとのニーズに合わせた情報を提供することで、再来店率を高め、顧客満足度の向上を狙っていきましょう。
LINE公式アカウントやメルマガを活用したアフターフォロー
施術後のフォローアップとして、LINE公式アカウントやメルマガを活用し、顧客と1対1の関係を継続することで満足度を高めることも有効な施策の1つです。
効果的なアフターフォロー施策としては下記が挙げられます。
- 施術後のアドバイスを配信(例:「施術後は水分をしっかり摂りましょう!」)
- 定期的な美容コラムを配信(例:「乾燥肌対策のおすすめスキンケア」)
- 個別カウンセリングの提案(例:「施術後の肌の調子はいかがですか?ただいま、無料カウンセリング受付中!」)
施術後も継続的に情報を提供することで、サロンへの信頼感を高め、リピート率の向上につなげることができます。
NBSはカウンセリングシートもご提供しています
NBSでは弊社の美容機器をご購入いただいた方に様々なアフターサポートをご提供していますが、カウンセリングシートもその1つ。具体的には以下のような特典・サポートを無料でご提供しています。
上記の情報は、機械購入者限定のカスタマーサイトでご確認いただけます。
すぐに使えるカウンセリングシートをご提供
サポートの1つはカウンセリングシートそのものです。
上述した内容を踏まえ、既に完成したカウンセリングシートをご提供いたします。また、カウンセリングシートはメニューに応じて複数の種類をご用意しているので、ご自身で用意していただく必要がありません。
カウンセリングの流れやポイントを解説
カウンセリングシートと合わせて、実際のカウンセリングの流れや重要なポイントも解説いたします。
- スムーズなコミュニケーションの流れ
- 相手の共感や信頼を得る方法
- 施術の説明の仕方
など、特にこれまでエステティシャンとしての経験がない方にはぜひご活用いただきたい内容となっています。
カウンセリングの解説動画も用意
カウンセリングに関する手法や流れなどは資料や口頭でもお伝えしますが、動画コンテンツとしてもご提供いたします。
他にも実際に施術する際の技術的なことなど、様々な項目の解説動画を取り揃えていますが、いつでも見返せる状況であることで、新人スタッフの教育にもご活用いただけます。
以上がNBSの主なカウンセリングのサポートです。他にも美容機器のご購入者様には幅広いサポートを行っており、ご好評いただいております。
情報を聞き出して顧客満足度の向上に繋げよう
カウンセリングシートを活用すれば、新規顧客の情報を把握するだけでなく、お客様の満足度を高めてリピート率の向上に繋げたり、集客活動を評価したりすることが可能です。
ご紹介したポイントを押さえて、お客様やスタッフが快適に利用できるようシートをカスタマイズし、お客様への思いやりに溢れたサービスの提供を目指してみてください。
株式会社NBSでは、美容機器を購入してくれた方に自宅サロンを始めとした美容サロンの開業支援を実施しています。
マシンの導入研修や販促資料の提供、サロン経営に役立つセミナー動画の配信など、直営サロンで培ったノウハウに基づいた様々なサポートを行っております。
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