「自宅エステサロンは儲かる」という話を耳にすることは少なくありません。しかし、実際に開業を検討されている方にとっては、その実情が気になるポイントではないでしょうか。
本記事では、自宅エステサロンが収益を上げやすい理由について詳しく解説します。また、成功に導くための重要なポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
自宅エステサロンが儲かるって本当?
特定の店舗に雇用されて働くのと比較すると、自宅エステサロンとして独立開業した方が、経済的に成功する可能性は十分にあります。なぜなら、自宅エステサロンのオーナーは、提供するサービス内容や価格設定を自由に決められるからです。
もちろん、経営を圧迫するような過度な報酬設定は避ける必要があります。しかし、店舗に雇用される場合、多くは固定給が中心となります。これに対し、売上が自身の収入に直結しやすい自宅エステサロンは、十分に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
一方で、顧客獲得に苦戦すれば赤字に陥るリスクも伴います。自宅エステサロンは、工夫次第で大きなリターンを得られる一方、リスクもゼロではない、いわゆるハイリスク・ハイリターンな側面を持つと言えます。
自宅エステサロンが儲かる理由
自宅エステサロンが儲かる理由は、主に以下の5つです。
- 固定費がほとんどかからず利益率が高い
- 少人数運営のため無駄な人件費がかからない
- 顧客との距離が近くリピーターになりやすい
- サービスや価格設定の自由度が高く差別化しやすい
- SNSを活用した集客との相性が良い
それぞれ詳しく解説します。
固定費がほとんどかからず利益率が高い
自宅の一部を利用することで、通常の店舗運営に必要な家賃や高額な設備投資、光熱費、人件費といった固定費を大幅に削減可能です。特に家賃がかからない点は大きなメリットで、施術1件あたりの利益率が高くなるため、比較的少ない顧客数でも黒字化しやすい構造と言えます。
少人数運営のため無駄な人件費がかからない
自宅サロンの多くは個人事業主として運営されており、スタッフを雇わず1人でサービスの提供を行います。これにより、人件費が発生しないため、売上の多くを自身の収入に直結させやすいのが大きな魅力です。また、自分のペースでスケジュール管理ができるため、ワークライフバランスを保ちながら、効率的に事業を進めることができます。
顧客との距離が近くリピーターになりやすい
自宅というプライベートに近い空間で施術を行うため、顧客との間に深い信頼関係を築きやすい環境と言えます。「この人になら任せたい」と感じてもらいやすいため、結果としてリピート率の向上に繋がります。特に、脱毛やフェイシャルなど、効果を実感するまでに複数回の施術が必要なメニューとは相性が良いと言われます。
サービスや価格設定の自由度が高く差別化しやすい
自宅エステサロンは、大手サロンのような画一的なルールに縛られることなく、自身の得意な施術に特化した独自のサービス提供やメニュー設計が可能です。また、価格設定も自由に行えるため、地域のニーズや競合の価格帯を考慮した上で設定することで、効果的な差別化を図りやすいでしょう。
SNSを活用した集客との相性が良い
InstagramやTikTokといったSNSを活用し、施術事例やお客様の声、キャンペーン情報などを積極的に発信することで、比較的低コストで効果的な集客が期待できます。
自宅サロンのアットホームでパーソナルな雰囲気は、画像や動画が主体のSNSと非常に相性が良いと言えます。SNSを戦略的に活用できれば、効率良く、かつ低コストで新規顧客を獲得できる可能性が高まります。
自宅エステサロンが儲からない原因
自宅エステサロンは収益を上げやすいビジネスモデルですが、誤った経営判断によって失敗に終わるケースも存在します。自宅エステサロンが経済的に苦戦する主な原因は、以下の5つです。
それぞれ詳しく解説します。
ターゲットやコンセプトが曖昧
自宅サロンに限らず、どのようなビジネスでも「誰に、どのような価値を提供するのか」が明確でなければ、効果的な集客は極めて困難になります。自宅エステサロンが失敗する主な原因として挙げられるのが、開業前の準備が不十分で、ターゲット顧客やサロンのコンセプトが曖昧なままスタートしてしまうことです。
価格設定が競合と比べて高すぎる
顧客が利用するエステサロンを選ぶ際に、最も重視する要素の一つが価格です。大手エステサロンは規模のメリットを活かして比較的安価なサービス提供が可能ですが、自宅サロンがそれよりも大幅に安く設定するのは難しいでしょう。
しかし、競合と比較して明らかに高額な設定では、顧客獲得の大きな障壁となります。そのため、価格設定を行う際は、地域の競合サロンのサービス内容や価格帯と比較検討することが不可欠です。
集客方法が確立できていない
SNSやホームページ、ポータルサイトといった顧客への導線が整備されていなければ、そもそも自宅エステサロンの存在を知ってもらうことすらできません。SNSを運用している自宅エステサロンは多数存在しますが、「なんとなく」運用しているケースも少なくありません。明確な計画に基づき、集客に繋がるような発信を心がける必要があります。
リピーターを増やす仕組みがない
新規顧客を集めるだけでは、安定的な売上には繋がりません。顧客に「また通いたい」と思ってもらえるような質の高い接客や施術、次回予約の提案、回数券や特典制度といったリピート促進の仕組みが確立できていない場合、顧客の定着は難しくなります。
経営や数字の管理ができていない
売上、経費、利益率といった経営に関わる数字を正確に把握せずに運営していると、売上はあっても利益が低いという状況に陥りやすくなります。仕入れ原価や時間あたりの採算を考慮しないサービス価格の設定、広告費の無計画な支出なども、赤字に繋がる直接的な原因となり得ます。
自宅エステサロンの売上を増やす方法
自宅サロンを開業する際は、どのようにすれば売上を増やせるかを事前に理解しておくことが大切です。自宅サロンの売上を増やす主な方法は、以下の5つです。
それぞれ詳しく解説します。
単価の高いメニューやオプションを取り入れる
売上を伸ばすためには、1回あたりの客単価を引き上げることが効果的です。例えば、高保湿パックやマッサージなどのオプションメニューを追加すれば、顧客満足度を高めながら単価アップが狙えます。
また、期間限定メニューや季節ごとの特別コースを用意することは、顧客に新鮮さを提供しつつ、売上向上に貢献するでしょう。
リピーターを増やすための仕組みを設ける
安定した売上を確保するには、リピート率の向上が不可欠です。来店されたお客様に次回予約を提案したり、お得な回数券やメンバー制度を導入したりすることで、定期的に通ってもらいやすい環境を整えることが重要です。
また、施術後の丁寧なフォローやお礼のメッセージといった細やかな心配りが、顧客との信頼関係を深め、継続的な来店に繋がります。
新規顧客の流入経路を複数持つ
SNSだけに頼らず、Googleマップへの登録(MEO対策)、美容系ポータルサイトへの掲載、地域のフリーペーパーへの情報掲載など、複数の媒体を並行して活用することで、新規顧客の流入を安定化させることができます。
口コミや紹介を促進するための特典制度を設けるのも、新規顧客獲得には有効な戦略です。一つのアプローチに依存するのではなく、様々な手段を組み合わせることが望ましいでしょう。
時間あたりの施術効率を見直す
売上は「施術数 × 客単価」で決まるため、限られた時間の中でどれだけ効率良く施術を提供できるかも、売上向上に繋がる重要なポイントです。無駄な準備時間を削減したり、予約管理システムを導入してスムーズな顧客回転を確保したりすることで、1日に対応できる顧客数を増やすことが可能です。
ただし、単に時間を短縮するだけでなく、顧客満足度を維持・向上させながら効率化する工夫が求められます。
物販やホームケア商品の提案を取り入れる
施術サービスだけでなく、ホームケア用のスキンケア商品や美容グッズなどの販売を行うことは、売上を増加させる有効な手段となります。これにより、顧客はサロンでのケア効果を自宅でも持続させやすくなります。しかし、在庫を持つビジネスとなるため、売れ残ってしまうリスクも伴う点には注意が必要です。
自宅エステサロンは工夫次第で儲けることができる
自宅サロンとして経済的に成功させるのは、決して容易ではありません。しかし、戦略的な工夫と努力次第では、会社員として働く場合と比較して、より高い収入を得られる可能性を秘めています。自身の可能性を試したいとお考えの方は、ぜひ自宅エステサロンの開業を視野に入れてみてはいかがでしょうか。