ビジネス 2025年06月24日

サロンの閉店に必要な手続きとは?費用や注意点についても解説!

サロンを閉店する際は煩雑な手続きが必要です。手続きを怠ると、トラブルが発生する要因にもなるため注意しなければいけません。どのような手続きが必要かを知っておき、円滑に進めるようにしましょう。

本記事では、サロンの閉店に必要な手続きについて詳しく解説します。

サロンの閉店に必要な法的手続き

サロンを閉店する際には、営業を停止した旨を公的機関へ正式に届け出る必要があります。手続きを怠ると、税務上のトラブルや罰則の対象となる場合もあるため、必ず期日を守って対応しましょう。

ここでは、サロンの閉店時に必要な主な法的手続きについて解説します。

保健所へ廃業届の提出

サロンを営業する際には、ほとんどの場合に保健所への届出が必要です。閉店する際にも、営業許可を返上する手続きとして、保健所へ「廃業届」を提出します。

自治体ごとに書式や手続きの方法が異なる場合があるため、閉店が決まったらまずは保健所に確認を取りましょう。

税務署へ廃業届出書の提出

個人事業主として開業していた場合には「個人事業の廃業届出書(廃業届)」を税務署に提出する必要があります。事業を終了したことを正式に報告するために、廃業届出書の亭主は欠かせません。

提出期限は「廃業後1ヶ月以内」と定められており、過ぎると罰則の対象となることもあるため注意が必要です。

税務署で青色届出の停止

青色申告の承認を受けていた場合には、「青色申告の取りやめ届出書」も提出します。青色申告は事業者にとって有利な制度ですが、廃業後もそのままになっていると税務署からの連絡や確認が継続して届く可能性があります。

青色申告を廃止する旨をしっかりと伝えておくことで、無用なトラブルを防ぐことができます。

給与支払事務所等の廃止届出書の提出する

スタッフを雇用していた場合には、「給与支払事務所等の廃止届出書」も必要です。従業員に給料を支払っていた事業者が、その業務を終了する場合、税務署へ報告することで源泉徴収義務者としての登録が解除されます。

廃業後すみやかに提出しなければ、源泉所得税の徴収・納付義務が残る可能性があるため注意しましょう。

サロンの閉店に必要な事務手続き

法的な届出と並行してサロンの閉店には多くの事務的な手続きも必要になります。取引先・顧客・スタッフとの関係を円満に解消し、閉店後のトラブルを未然に防ぐためには事務手続きも欠かせません。

具体的にどのような手続きが必要か詳しく解説します。

顧客への通知と返金対応

最優先で行うべきは、既存顧客への閉店の告知です。回数券やサブスク型プランなど、前払いの契約がある場合には、残っている施術分の返金対応についても案内する必要があります。

閉店予定日を早めに伝え、返金方法や期日を明記した文書を郵送または店頭で配布するのが一般的です。誠意ある対応を行うことで、トラブルの発生を防止できます。

スタッフへの通知と雇用契約の整理

従業員を雇っている場合は、早めに閉店の旨を伝えましょう。労働基準法により解雇の予告は原則30日前までに通知する必要があるため、それ以前に伝達し、退職日や最終給与の支払い方法、退職証明書の発行なども整えておきましょう。

あわせて社会保険や雇用保険の資格喪失手続きも行います。退職後の転職先で必要になる書類もあるため、遅れがないように準備しましょう。

賃貸契約の解約手続き

テナントを借りて営業していた場合は、賃貸契約の内容に従い、オーナーに解約の意思を伝える必要があります。通常は1~3ヶ月前の予告が必要であり、原状回復義務も発生する場合が多いです。

解約条件を満たしていないと敷金が返ってこなかったり、追加請求される可能性もあるため、契約書を確認したうえで早めに動き出しましょう。

備品・在庫の処分・譲渡

脱毛器・ベッド・スキンケア用品などの備品や在庫が残っている場合は、処分をしなければいけません。サロンの経費を使って購入したものは、所定の手続きに則って処分をしないと税務上のトラブルを生む可能性もあるので注意しましょう。

サロンの閉店にかかる費用

サロンを閉店する際には、さまざまな費用が発生します。事前に必要な費用を把握しておかないと、予想外の出費によって経営がさらに苦しくなるケースもあるため、注意が必要です。

ここでは、サロンの閉店にかかる代表的な費用について解説します。

原状回復費用

テナントを賃借していた場合、多くの場合で「原状回復義務」が発生します。これは、入居時の状態に戻すための工事費用で、床や壁の修復、什器の撤去、配線・配管の整理などが該当します。

原状回復費用は店舗の広さや設備内容によって異なりますが、20〜50万円程度が相場です。美容機器を壁に固定していた場合や、水回り工事を行っていた場合には、さらに高額になる可能性があります。

解約に伴う違約金・敷金返還の調整

賃貸契約書に明記されている内容によっては、途中解約に違約金が発生することがあります。敷金が戻ってこないと行ったケースもあるため、契約内容を事前に確認しておきましょう。

契約更新後すぐの解約や、解約予告期間を守らなかった場合は、特に追加の支払いが発生しやすいので注意が必要です。

従業員への給与・退職金

スタッフを雇っている場合、最終月の給与や未払いの残業代、有給休暇の精算、退職金などの支払いが必要です。社会保険や雇用保険の脱退手続きも行う必要があります。

閉店ギリギリまで営業を続けた場合、給与支払が経営の大きな負担となるため、退職日や給与支払日について早めに計画を立てておきましょう。

備品・機器の処分費用

脱毛器、ベッド、スチーマーなどの業務用機器が残る場合、それらの処分や回収にも費用がかかります。状態が良ければリユース業者に買い取ってもらえる可能性もありますが、古くなっていたり壊れていたりすると、有償での廃棄が必要になります。

大型機器の回収には1台あたり数万円かかることもあるため、なるべく早めに売却先や引取業者を探すと良いでしょう。

顧客への返金対応

回数券や定額制プランなどで、前払いを受けていた施術分が残っている場合には、返金対応を行う必要があります。契約時に「返金不可」としていても、消費者契約法などに基づいて返金義務が発生することもあるため注意が必要です。

サロンを閉店する際の注意点

サロンを閉店する際には、閉店日から逆算してスケジュールを立てるようにしましょう。スタッフの雇用契約やテナントの解約などには、法的な期限があるため、計画を立てて効率良く進めることが欠かせません。

また、会員制サービスを提供していた場合は、適切な返金手続きを行わなければいけません。また、税務申告・在庫処分・SNSやホームページの閉鎖なども忘れずに行いましょう。閉店後にトラブルを防止するためにも、誠実に手続きを進めることが大切です。

サロンの閉店で後悔しないためのチェックリスト

サロンを閉店する際に後悔を残さないためには、事前に必要な対応をリストアップし、抜け漏れなく進めることが重要です。具体的には、以下のポイントに漏れがないかを確認するようにしてください。

  • スタッフとの契約内容に問題はないか
  • 顧客への通知は行ったか
  • 備品や設備は正しく処分をしたか
  • 顧客の情報は適切な形で処分をしたか
  • 関係各所に届出を漏れなく行ったか
  • 各種税金の支払い・返金ができるだけの金銭があるか

もし、上記を満たしていない場合は、何らかのトラブルが起こるかもしれません。その際はすぐに閉店手続きを進めるのではなく、正しく対応をしてから行動をするようにしましょう。

サロンの撤退後に向いている再チャレンジの道

サロンを閉店したとしても、そのスキルを活かして他の道で活躍することは可能です。例えば、エステサロンを経営していたのであれば、美容機器の営業職として活躍しやすいです。

化粧品の物販を行うという道もあります。サロンを経営する中で培ってきた経験は決して無駄になりません。ぜひ、色んな可能性を模索してみてください。

サロンの閉店手続きに関するよくある質問

サロンの閉店手続きに関するよくある質問について回答します。サロンの閉店手続きについて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q. サロンを閉店する場合は何から始めればいい?

閉店日を決めたうえで、保健所や税務署などへの廃業届の準備を始めることが大切です。同時に、顧客・スタッフ・取引先への連絡スケジュールも組んでおきましょう。

Q. 閉店時に返金対応が必要になるのはどんな場合?

回数券や定額プランなど、事前に料金を受け取っていた施術が未消化のまま残っている場合には、返金義務が発生します。契約書に返金不可と記載していても、消費者契約法によって返金を求められる可能性があります。

Q. 廃業届を出し忘れるとどうなりますか?

廃業届の未提出は、税務署側で事業が継続していると見なされ、確定申告の提出や税金の納付を求められる可能性があります。個人事業主の廃業届は原則として廃業から1か月以内に提出する必要がありますので、忘れずに対応しましょう。

サロンの閉店手続きは十分に確認をしながら進めよう

サロンを閉店する際は、スタッフや顧客、契約関係の処理など、多方面にわたる手続きが必要となります。事前にしっかりと計画を立て、対応すべき項目を確認しておきましょう。

また、閉店は決して失敗ではなく、これまでの経験を次のチャレンジに活かすチャンスでもあります。ぜひ、前向きになって次の道を探してみてください。

この記事の執筆者

NBS

NBS編集部

株式会社NBSは創業以来、日本全国の約1,500店舗のエステサロンや美容室に脱毛機を導入し、約3,000店舗のサロンと商品取引を行ってきた美容総合メーカーです。特に脱毛機においては業界のリーディングカンパニーとして数多くの商品を開発してきました。本サイトでは、美容サロンに関するこれまでの豊富な知識と経験を活かし、サロンオーナーの皆様に役立つ情報発信を行ってまいります。

NBSコラムカテゴリー

全国どこへでもお伺い致します

脱毛サロンでの実務経験が豊富なスタッフによる、無料出張デモ受付中!