ビジネス 2023年05月26日

美容機器の輸入代行は危険?安全に美容機器を購入しよう

近年、エステ業界では「貴社のコストを最小限に抑えます」といった触れ込みで美容機器の輸入代行を行う業者が増えています。確かに業務用美容機器を輸入によって安く購入できるのは魅力に感じます。

ただし、輸入代行サービスはメーカーと同等のサポートを提供してくれるわけではありません。どこまで安全に美容機器の導入をサポートしてくれるのでしょうか。

本記事では、輸入代行サービスの詳細と、安全に安く業務用美容機器を購入するためのポイントをお伝えします。

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輸入代行サービスとは

 

輸入代行サービスとは、文字通り商品の輸入を代行してくれるサービスです。輸入の際の手続きや、メーカーとのやりとりを代行してくれます。

現地価格で安く商品を仕入れられる、複雑な手続きや外国語のコミュニケーションが不要であるなどの利点があります。

輸入代行業者によっては、導入後のアフターサービスまで提供しているところや、製品のODMやOEM(自社ブランド商品の製造を委託すること)代行まで行っているところもあります。

業務用美容機器の輸入代行は、後述する税関の審査を通過するために利用されることが多いです。

輸入代行サービスのリスク

一見便利に見える輸入代行サービスですが、輸入代行には以下の観点でリスクが伴います。

  • 品質保証
  • 法規制の順守
  • アフターサービス

品質保証

輸入代行業者が提供する商品が、正規品と同等の品質を保証しているか確認するのは難しい場合があります。偽造品や劣悪な品質の商品が混入する可能性を考えなくてはなりません。

また、美容機器は安全対策が正しく行われていなければ肌へのダメージや健康被害、怪我などを引き起こすことがあります。輸入代行業者によって提供された美容機器が、本当に安全性が担保されたものであるかどうかも、確認することが難しいです。

法規制の遵守

先述した輸入に関する法律を輸入代行業者が遵守していない場合もあります。美容機器を虚偽の申告によって輸入した場合、関税法違反となります。

美容機器に関する輸入代行業者が医療機器の製造販売業の許可を持っており、加えてその情報が正確なのかどうかを精査しなければなりません。

アフターサービス

業務用の美容機器を購入する際に重要なポイントは、アフターサービスや保証がしっかりしているかどうかです。導入時の初期動作チェックから、定期的なメンテナンス、技術的なサポートなどもあれば魅力的です。

その点、輸入代行サービスはアフターフォローや問題が発生した際のサポートが会社によって異なります。

輸入代行サービスを通じて購入した場合、製造メーカーの正規のアフターサービスを受けることは難しいです。機器導入後のメンテナンス依頼や、返金や返品などのトラブル対応に責任を持ってくれる代行業者でなければ、不要な手間やコストがかさんでしまいます。

輸入代行は使うべき?

輸入代行業者には、薬機法によってその製品の製造販売業許可を持っていることが求められています。製造販売業許可を取得したうえで厚生局の審査に通過した際は問題なく美容機器の導入が可能です。

ただし、個人が法的条件や実際の仕組みを理解して、信頼できる輸入代行業者を精査することは難易度が高いといえるでしょう。

美容機器の輸入は個人でも可能か

上記の点で利用にリスクが伴う輸入代行サービスを使わずに、個人で海外の業務用美容機器を輸入することは可能なのでしょうか。

結論からお伝えすると、業務用の美容機器を個人が輸入することはできません。Amazonなどの販売サイトから海外の商品を購入することは誰でも可能ですが、美容機器は輸入する際に税関で規制が設けられています。

では、どのような場合に美容機器の輸入が規制されるのでしょうか。

美容機器の輸入に関するルール

美容機器を輸入する際には、それが医療機器に該当するかが重要なポイントになります。商品が医療機器にあたる場合は、輸入が規制されます。

医療機器の輸入が規制される理由

美容機器は、薬機法によって医療機器に指定されている場合が多く、輸入予定の商品が医療機器に該当するのであれば、輸入することはできません。(製造販売許可を持っている場合を除く)

日本に輸出入をする場合は必ず税関に申告し、許可を得る必要がありますが、商品によっては別の行政機関の確認を仰ぐことがあります。これを他法令の確認といいます。

厚生局では、海外から医薬品などを輸入する際はその有効性と安全性が十分と認められたものだけを国内に流通させるため、輸入する物品を法律で規制しています。そのため、税関は医療機器の可能性がある物品に関しては厚生局に確認をとります。

医療機器に該当する可能性があるものを個人が輸入することは、厚生局が承認しないため難しいということになります。

医療機器の定義

薬機法によると、医療機器とは「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等」と定義されています。

基本的に、医療機器には製品に「医療機器」という表示があります。しかし、メーカーが医療機器と表示していない場合でも、人の身体の構造や機能に影響を及ぼす機器であれば「医療機器」の対象となることがあるため、注意してください。

医療機器でも輸入できる例外もある

ただ、次の2つを満たす場合は、医療機器でも個人の輸入が認められる可能性があります。

  • 個人使用目的であること
  • 家庭用医療機器に該当すること

医療機器を自分自身のために使用することが明らかである場合、輸入できることがあります。

個人使用目的と判断されるには、輸入数量が必要最小限であることや、反復輸入(ある商品を一度輸入したあと、その商品を同じ国に再輸出し、そして再度その商品を元の国に輸入すること)をしていないことなどが条件となります。

また、家庭で使う簡易的な医療機器であれば輸入できる場合があります。

  • 電子血圧計
  • 電解水の生成期
  • 吸入器
  • 磁気治療器
  • マッサージ機器

以上のようなものは家庭用と判断されます。

ただし、脱毛器具は家庭用機器とされているものでも、厚生局に申請後、薬監証明を得て他人への販売・授与を目的としての輸入ではないことを証明しなければなりません。

参考:関東信越厚生局「薬監証明の取得について」

エステサロンで使用する目的の美容機器は医療機器と判断されることがほとんどであるうえ、上記の例外にもあたりません。以上のことから総合的に判断して、エステサロン経営者が業務用に美容機器を個人輸入することは難しいといえるでしょう。

美容機器を安く導入するには補助金を使おう

とはいえ、日本でメーカーの正規品を購入するのは高いと感じてしまいますよね。特にエステサロンを開業する場合は、多額の先行資金、運用資金を用意しなければならず、美容機器の導入コストは少しでも安くしておくと良いでしょう。

エステサロンで使用する美容機器を安全かつ安価に購入する方法に、補助金の利用があります。補助金は、国の政策に合致する活動を行う民間業者に対するサポートを目的に給付されるもので、返済も不要です。

補助金に混同されやすい制度に、助成金があります。両者の相違点を以下にまとめました。

補助金は助成金とは異なり、必ずしも受給できるわけではありません。助成金は労働者の雇用・労働環境に関する条件を満たせば必ず受給されます。一方で補助金を受給するには、定員制の審査を受け、採択される必要があります。

補助金の目的には、特定の産業の拡大があります。どちらもメリット・デメリットがありますが、美容機器の導入に関しては補助金が適しています。

美容機器の購入に使える補助金

補助金には多くの種類がありますが、エステサロンの美容機器購入に使えるおすすめの補助金は以下の2つです。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり補助金

小規模事業者持続化補助金

エステサロンの美容機器購入に使える補助金で、おすすめなのが小規模事業者持続化補助金です。

常時使用する従業員が5人以下(製造業や宿泊業は20人以下)である法人、個人事業、特定非営利活動法人が対象で、経営者が持続的な経営に向けた計画を作成したうえで販路開拓への取り組みを支援する制度です。

主要な補助対象経費としては、以下のようなものが該当します。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
  • 旅費
  • 新商品開発費
  • 借料
  • 委託・外注費

美容機器は機械装置等費として、経費の補助対象となります。

ただし、必ず補助対象経費となるかと言うとその限りではありません。美容機器が補助対象となるかどうかは、申請者の具体的な事業計画書の内容(例えば、美容機器の導入がどのように販路開拓や生産性向上に資するか)に合致しているか、実際に事業計画に基づき使用されるか、そして補助金事務局が必要と認める経費 に該当するかという個別判断に依存します。

参考:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>事務局

※2025年5月時点での情報です。

ものづくり補助金

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業者等が今後複数年にわたる制度変更に対応し生産性向上を図るため、革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓などを行う事業に必要な設備投資等を支援することを目的としています。

具体的には、生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発、試作品開発、生産プロセス改善のための設備投資が補助対象となりま

ものづくり補助金の申請・採択には、補助対象事業、補助対象事業者、補助対象要件(基本要件、グローバル要件、特例措置要件)を満たす必要があり、事業計画の審査も行われるため、ハードルは高いと言えます。直近3回の採択割合は50%前後で推移しています

また、美容機器の購入が「革新的な新サービス」を行う為に必要な設備投資と認められるかどうかに関して一定のハードルがありますが、過去エステサロンの美容器の購入費としてものづくり補助金が利用された実績もあるため、一概に「活用できない」とは言えない現状です。

補助額が下記の通りです。

製品・サービス高付加価値化枠
※補助下限額は 100 万円

  • 従業員数 5 人以下:補助上限額 750 万円
  • 従業員数 6~20 人:補助上限額 1,000 万円
  • 従業員数 21~50 人:補助上限額 1,500 万円
  • 従業員数 51 人以上:補助上限額 2,500 万円

参考:ものづくり補助金総合サイト

※2025年5月時点での情報です。

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補助金を活用して安全に美容機器を導入しよう

本記事では、美容機器の個人輸入や輸入代行の仕組みや懸念点を解説し、代替案として補助金の活用をご紹介しました。

輸入代行は、安価に海外製の美容機器を導入できる便利なサービスに見えますが、業者を精査する必要があり、利用にはリスクが伴います。一方、国や自治体が行う補助金の制度は信頼度が高いです。

補助金を活用することの最大のメリットは、返済が不要であるということです※。補助金の受給には審査が必要であり、申請後も報告書を提出しなければなりませんが、美容機器の導入に関する金銭的コストを大きく削減できます。
※事業計画期間終了時点での目標値(給与支給総額の年平均成長率や事業所内最低賃金)が未達成の場合、補助金の一部返還を求められることがあります。また、補助事業により取得した財産を事務局の承認なく目的外使用したり処分したりした場合も、国庫納付(返還)が必要になる場合があります

弊社でも、小規模事業者持続化補助金を用いた業務用美容機器の導入支援を行っています。補助金を活用して、安価に美容機器を購入してみてはいかがでしょうか。

 

この記事の執筆者

NBS

NBS編集部

株式会社NBSは創業以来、日本全国の約1,500店舗のエステサロンや美容室に脱毛機を導入し、約3,000店舗のサロンと商品取引を行ってきた美容総合メーカーです。特に脱毛機においては業界のリーディングカンパニーとして数多くの商品を開発してきました。本サイトでは、美容サロンに関するこれまでの豊富な知識と経験を活かし、サロンオーナーの皆様に役立つ情報発信を行ってまいります。

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